トップページ > コラム - おひさまファンド誕生ストーリー(1)


現在デンマークは電力の24%を風力発電によって供給し、世界的にも有名な風力大国となっています。デンマークがここまで風力発電を成長させることができた理由のひとつは、1970年代に各地で省エネルギーと自然エネルギーの推進のために地域住民に対して情報提供のための「地域エネルギー事務所」が設立され、地域の人々が再生可能エネルギーの技術や環境への意識を育てたこと、そして、そうした流れから「風力恊働組合」が生まれたことがあります。
1980年、デンマークのオーフス近郊にあるニーソルビヤで初めての「風力協同組合」が設立されました。「風力協同組合」とは文字通り、風車を協同組合の方法で共有するものです。2000年現在のデンマークの風力発電のおよそ80%が協同組合もしくは個人所有という形態になっており、風力エネルギーが「1人は万人のために、万人は1人のために」という協同組合の理念と共に広がりました。

2001年9月、北欧から遠く離れた北海道浜頓別町にNPO法人北海道グリーンファンドが1基の風力発電機を建設しました。市民風車「はまかぜ」ちゃんです。北海道グリーンファンドは、それまで「グリーン電気料金制度」によって市民が参加するエネルギーへの取り組みを進めていましたが、「原子力に頼らないで実際に自分たちの手でクリーンなエネルギーをつくりだしたい!」という市民の思いをもう一歩前進させて実現させる方法を考えていました。
その際、デンマークの「風力協同組合」をモデルに、市民からの出資によって風車を建設する取り組みを日本でも実現させることが検討され、NPO法人環境エネルギー政策研究所の協力のもと、ついに日本での市民風車第1号「はまかぜ」ちゃんが誕生しました。
ここに日本での「市民出資」の歴史がはじまり、2003年には青森に市民風車わんず・秋田に市民風車天風丸が誕生し、その後も次々と国内に市民風車が広がっています。


2005年1月に開催された設立総会にて。写真中央は、飯田市牧野市長
2004年には、長野県飯田市に地域の環境エネルギー事業を進める「おひさま進歩エネルギー有限会社」が誕生しました。
「おひさま進歩エネルギー」は、1990年代に北欧で広がった地域エネルギーの取り組みに学び、”エネルギーを自分で意思で選びとる”というエネルギーデモクラシーを地域のエネルギー事業として実現することを使命に、市民出資による太陽光発電事業・省エネルギー事業を行いました。
市民からの出資をった「南信州おひさまファンド」は募集期限を待たずに募集枠約2億円を満了し、市民の意思ある資金と環境省の交付金によって、飯田市内の保育園など公共施設に太陽光パネルが設置され、省エネルギーサービスが展開されました。
国内に前例のない地域エネルギー事業であったため、多くの困難にぶつかりながらも、「おひさま進歩エネルギー」は環境エネルギー政策研究所をはじめとするさまざまな関係者との協働によって事業を成功させました。


備前グリーンエネルギー会社前にて出資者と記念撮影(出資者の事業見学ツアーにて)
2005年には、岡山県備前市で地域の環境エネルギー事業を進める「備前グリーンエネルギー株式会社」が誕生しました。「備前グリーンエネルギー」は、「おひさま進歩エネルギー」と同じくエネルギーデモクラシーを地域のエネルギー事業として実現することを使命に、市民出資(「備前みどりのエネルギーファンド」)によるバイオマスを使ったグリーン熱供給事業・省エネルギー事業を行いました。
国内ではなかなか進まない熱分野のグリーン化(自然エネルギー化)という課題に対し、環境エネルギー政策研究所の協力のもと、「熱供給サービス化」という先進的な手法によって成果をあげています。
デンマークの風力協同組合に学び、国内の市民風車や飯田・備前の先進事業の経験を生かして、持続可能なエネルギー社会へのさらなる一歩進めるため、「おひさま進歩エネルギー」から組織変更により、2007年に「おひさまエネルギーファンド株式会社」が設立され、出資募集のために「温暖化防止おひさまファンド」が誕生しました。


